孤独死保険とは

　孤独死保険とは、賃貸物件内で孤独死が発生した場合における室内の原状回復費用（残置物撤去・清掃等）や家賃の損失など、孤独死により生じた金銭的な損失について補償をしてくれる保険です。

孤独死の件数は増加傾向にありますから、この保険に加入する人もどんどん増えてきています。
大家の立場からすると、入居希望者が高齢者だとどうしても孤独死の心配をしてしまうと思いますが、この保険に加入することで安心して高齢な方にも物件を貸すことがきます。

今までだと、高齢な方だとどうしても賃貸物件を借りにくい現状がありましたが、この保険があることで高齢な方でも入居審査に通りやすくなってきています。
今後も高齢者が増加し続けることが想定されますが、この保険のおかげで高齢者としては部屋を借りやすくなり、大家としては部屋を安心して貸せるようになるというわけです。

　孤独死保険は、２つのタイプが存在します。
１つ目は、大家（貸主側）が加入する家主型。もう１つは入居者（借主側）が加入する入居者型です。

それぞれ孤独死発生を原因として保険金が支払われるという点については異なりませんが、家賃損失分について補償されるか否かが違ってきます（入居者型では補償されない）。

もしかしたら、孤独死された方や大家側が孤独死保険に入っている可能性もありますので、損害賠償の話をする前に確認をされた方がいいかもしれません。

　前述したように、孤独死保険はご高齢者の住まい探しに役立つ、いわば社会貢献ともいえる保険だと思います。
本当に高齢な方の賃貸探しは大変です。孤独死のリスクを考えて貸してくれない大家は沢山いましたが、この保険のおかげで借りれる家がなく困っていたご高齢者の道が開けたと思います。

逆に大家にとっても大変有難い保険とも考えられます。
昔は黙っていてもすぐ借主が見つかったのかもしれませんが、日本は人口が減少し続けて賃貸の客付けにも苦労する時代になっています。建物が老朽化してくると若い世代の借り手が見つけにくくなりますので、どうしても入居者を探すのが難しくなります。
そうすると、貧困だったり身寄りのない高齢者にも目を向けていかなければいけません。しかし、大家としてはそういった方に物件を貸すことで事故発生のリスクが高まってしまいます。

ですが、この保険のおかげで「何かあっても保険が支払われる」という安心感を持つことができますので、高齢者の方にも空き部屋を貸すことができるようになりました。
大家にとってみても孤独死保険は非常に助かる存在になっているはずです。

　孤独死保険について説明をしてみましたがいかがでしたでしょうか。

賃貸物件内で発生した孤独死で損害賠償の話が出た場合には、是非この「孤独死保険」について思い出してください。
もしかしたら、大家や管理会社からはその保険の話を言わない可能性がありえますので、知識として知っていれば相続人側から尋ねることができると思います。

損害額が大きいことで相続放棄の有無に大きな影響が出てくる可能性もありますから、孤独死保険については知っておいて損はないと思います。

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