相続したマンションを売却する注意点とは

相続したマンションの管理状況も売却する上ではとても重要なことになります。
マンションの場合、日々の管理をおこなう管理会社がしっかり入っている場合と、自主管理の場合があります。

管理会社が入っている場合にはそこまで心配する必要はありませんが、自主管理のマンションの場合には注意が必要です。
自主管理とは、管理会社に委託をせずにマンションの住民が自分たちで日々の管理をおこなう形態です。管理会社に委託をしていないので月々の「管理費」を払う必要はありませんが、マンションの管理を住民だけでおこなうのは想像以上に大変なことです。
日々の清掃や消耗品の管理はまだしも、消防設備点検やエレベーター点検などもマンション管理の一部です。管理会社に委託している場合にはこのようなことを全ておこなってくれますし、何かトラブルが発生した際も迅速に対応をしてくれます。

また、マンションの場合には、管理費以外にも月々「修繕費」というものを積み立てていきます。将来マンションの修繕に充てる費用です。こういったお金の管理も通常は管理会社がおこなってくれますが、自主管理の場合には自分たちでやらなければなりません。
お金の管理については第三者にしてもらった方がよいと考える人が多いと思いますし、「管理会社に委託せず住民による自主管理」と聞いた場合、たとえちゃんと管理ができていたとしても、あまり良い印象を持たない人が多いかと思いますし、今後もちゃんと管理ができるという保証はありません。

以上のことを踏まえると、相続したマンションがもし自主管理の場合には、買主が購入をためらってしまうひとつの原因となります。ここは戸建てを売却する場合には発生しない注意点といえるでしょう。

マンションの場合には駅からの距離・立地が売値に大きく影響してきます。

駅から近い方が人気が出るというのは容易に想像できると思いますが、戸建てに比べてマンションの場合には、これが売値として顕著に表れてきます。
これは戸建てを購入する人に対して、マンションを購入する人の方が駅や買い物の利便性を強く求める傾向があることが理由としてあげられます。

一般的には「駅から徒歩15分」というのが、ひとつのボーダーラインとなっているようです。（実際には、駅から徒歩8分以内のマンションが人気が高いです）
国内の超高齢化、少子化、人口減少にともない政府は、コンパクトシティ※の推進を掲げています。
コンパクトシティ化が加速すると、駅の近くに、行政施設、医療施設、商業施設などが集まりますので、必然的に駅近のマンションに人気が集中します。

おそらく施設などが集まるのが駅から徒歩15分圏内ということになるのでしょう。そうなった場合、駅近ではないマンション（駅から徒歩15分以上かかる）は、生活をする上では非常に不便を強いられることになります。
よって、駅から遠いと、これからマンションを購入しようと思っている若い世代からは人気がなく、定年後などに終の住処としてマンションの購入を考えている高齢者からは敬遠されてしまうことでしょう。

その他にも、都市部までの移動に時間がかかってしまう場合にも売値が下がってしまう可能性があります。移動に時間がかかってしまうケースとは、「距離が遠い」場合と「時間が遅い」場合があります。距離が遠い場合とは単純にマンションから都市部までの距離の問題で、時間が遅い場合とは各駅停車しか止まらない駅ということです。このようなマンションの場合には、若い世代から敬遠されてしまうことが多いでしょう。もし、相続したマンションが駅から遠い場合、売却する際には注意が必要でしょう。

※コンパクトシティとは、生活をする上で必要な施設などを集約させた街づくりです。

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